同窓会キャラクター決定!!!

 

狛江高校設置場所に昔見つかったと言う、淡水クラゲをモチーフに同窓会のキャラクターを作りました。現在愛称募集中です。9/16-17に行われる公孫樹(文化)祭で、募集しますので皆さんのお越しをお待ちしております。

 

 

 

 

狛江広報誌 「今はむかし」 より

 

昭和二十一年八月末、現狛江高校玄関前にあった砂利穴から淡水クラゲが見つかった。直径約十五o、白く透き通った淡水クラゲは、日本では大正時代に三重県津市で発見され、まもなく見られなくなってからしばらくぶりの発見であった。

 しかしこの時に発見された淡水クラゲは、以前発見されたイセアナではなく、別の種

類のソエルビーだった。ソエルビーは中国大陸や北米ミシシッピ川流域などに生息するもので、それがなぜ狛江で発見されたのか不思議であった。

 その後、淡水クラゲは日本各地で発見されるようになり、昭和三十四年に、東京重機工業の円形防水用水と、世田谷大蔵町の新東宝映画撮影所のセット用プールでも発見されている。

 そこで、中国からの復員者がポリプを衣服につけて持ってきたのか、進駐軍が駐留地に荷物を運び込むときに被せてきたシートについていた胞子が飛び散ったのだろうという話が識者の間でしきりだった。

 狛江の淡水クラゲはその後数年間毎年発生していたので、しぱらくぷりの発見と珍しいこともあって、昭和二十六年六月に国の天然記念物に指定された。しかし指定三年後には姿を消してしまった。

その後、砂利穴周囲にはたくさんのバラが植えられて町民に開放された。だから人々はそこをバラ園と呼び、よい香りが漂うなか散策をたのしんでいた。

 昭和四十年代に入っても淡水クラゲは再び戻ってこなかった。そこで昭和四十四年十二月に、国は天然記念物の指定を解除することにした

 ところがその前月、三人の中学生が、砂利穴に隣接する都水道局用地内の池でたくさんの淡水クラゲを発見し、中学校の先生に話したところ、間違いなく淡水クラゲであることを植認した。

 しかし時すでに遅く、前年に東京都水道局狛江浄水場が廃止されたため、その池を埋め立てて水道資材置場にする工事を始めていた。

 その時、砂利穴には生息していなかったので、指定解除はやむ得ないにしても、隣にある新たに発見された池を指定してくれないかとお願いしてみたが、淡水クラゲは方々で見つかっているからいまさら指定できないということで指定が見送られ、池は完全に埋め立てられて水道資材置場になった。

 一方最初に発見された砂利穴の方も再び淡水クラゲの姿を見ることもなく、昭和四十七年には都立狛江高校建設用地として埋め立てられ、バラ園とともに市民の記憶から遠ざかっていった。

 しかし古い地図を見ると、淡水クラゲ発生池の文字がいまなおその面影をとどめている。

  井上 孝    (狛江市文化財専門委員)